馬連オッズの分析
馬連オッズからレース傾向を読み取るためのテクニックを紹介していく。
馬連10倍未満の個数に注目
今回のテーマは、馬連オッズの10倍未満の個数についてだ。例えば、以下のオッズは2023年のオークスの馬連上位人気のオッズだ。
馬連オッズの10倍未満の個数とは、このケースでいえば
- 5.9倍
- 6.9倍
ではまず、馬連オッズが10倍未満の個数がレース結果にどのような影響を及ぼしているかを調べていこう。
馬連10倍未満の数が0個のレース
ではさっそく、馬連10倍未満の個数が0個のレースについて分析していこう。まずイメージとしては、馬連オッズが全て10倍以上なのだから、かなり穴気配のするレースだといえるだろう。
これは2009年3月からの当該レースの解析結果だ。
ご覧のとおり、単勝1番人気の出現率18.1%しかなく、ほぼ信頼に値しない。連対率に至っては32.1%しかない。この数値は、単勝1番人気の出現率の平均値よりも小さいのだ。
次に注目して欲しいのが下位人気馬の複勝率だ。単勝10番人気でも11.4%もある。つまり、ほぼすべての馬が馬券圏内に絡んできているのだ。
では、馬連10倍未満の個数が1個以上の時のデータを一気に紹介する。
馬連オッズ10倍未満が1個
馬連オッズ10倍未満が2個
馬連オッズ10倍未満が3個
馬連オッズ10倍未満が4個
馬連オッズ10倍未満が5個
馬連オッズ10倍未満が6個以上
これらのデータを見て、単勝1番人気の出現率に注目してみると、馬連10倍未満の個数が多いほど出現率や連対率が上昇する傾向にあることが分かる。特に高いのが馬連10倍未満が4個の場合で、無条件で単勝1番人気を軸にしてしまって良い。
単勝6~9番人気を見ると、馬連10倍未満の個数が多いほど、出現率等が低下していることが分かる(一部単勝6番人気は例外)。おそらく、「馬連10倍未満の個数が多い=上位人気馬が買われている」ことになり、その分下位人気馬の出番が少なくなっているのだろう。
このように馬連オッズを分析することで、ある程度の傾向を掴むことが出来るのだ。
馬連10倍未満の個数が0個のケースを深掘りする
続いては、以下の条件でレースを分類し、それぞれで単勝人気別の出現率等を分析していく。
- 馬連オッズ10倍未満の個数が0個
- 馬連1番人気のオッズ
馬連1番人気のオッズが高くなるほど、波乱傾向にはなっていくだろうが、果たして。
馬連1番人気が10倍~11.9倍
馬連オッズ10倍未満が0個で、馬連1番人気のオッズが10倍~11.9倍のデータを見てみよう。
出現率だけを見ると、単勝1~3番人気はほぼドングリの背比べ状態だ。複勝率を見ると、単勝10番人気までが10%を超えており、まさに波乱傾向といえる。
馬連1番人気が12倍~13.9倍
では続いて、馬連1番人気のオッズが12倍~13.9倍の時を調べてみよう。
先ほどのデータと見比べていただきたいのが、単勝3番人気の出現率だ。単勝1~2番人気の出現率はほぼ変化がないにも関わらず、単勝3番人気の出現率だけ減少していることが分かる。さらに面白いのが複勝率で、単勝3番人気と単勝4番人気の複勝率が逆転していることが分かる。
つまりこのケースでは、単勝3番人気の評価を落とし、単勝4番人気を狙うのが面白い。
馬連1番人気が14倍~15.9倍
続いては、馬連1番人気が14倍~15.9倍の時を調べてみよう。
先ほどと異なり、単勝3番人気と4番人気の逆転現象はなくなっている。しかし、単勝2番人気と3番人気の出現率は逆転している。また、単勝1番人気の出現率はさらに低下している。
馬連1番人気が16倍以上
では最後に、馬連1番人気のオッズが16倍以上のケースを見ていく。
非常にこのデータは驚きだ。まず、単勝1番人気の出現率が13%しかない。ほぼ1番人気の体をなしていない。そして、単勝3~5番人気の出現率が10%未満であることに対して、単勝6~7番人気の出現率が10%を超えている。単勝3番人気より単勝7番人気のほうが勝っているとは、驚きだろう。
複勝率にいたっては、単勝3番人気~7番人気までほぼ同値。単勝9番人気でも5回に1回は複勝圏内に入ってくる荒れっぷりだ。
これは2009年からのデータなので、母数が少ないことにより偏りでは一切ない。是非、このレースを見つけたときは、穴目を狙ってみてほしい。
馬連10倍未満の個数が4個のケースを深掘りする
さきほどの「馬連10倍未満の個数」別の単勝人気データを見ると、馬連10倍未満の個数が4個のときに、単勝1番人気の出現率が最も高くなることが判明した。この条件でのデータを深掘りしていこう。
検証1 単勝1番人気のオッズが2倍未満
ではさっそく分析していこう。まず最初は、以下のような条件でデータを調べてみる。
検証1
- 馬連オッズ10倍未満の個数が4個
- 単勝1番人気が2倍未満
単勝1番人気が2倍未満という条件を加味して調べてみよう。
単勝1番人気の出現率が52%に上昇していることが分かる。連対率は71%、複勝率は81%で、馬券の軸としては圧倒的な信頼を誇っている。これはある意味予想通りと言えるだろう。
なお、単勝1番人気が2倍未満のレースでは単勝1番人気の出現率は平均で49%である。従って、若干単勝1番人気の信頼度が上昇していることが分かる。
検証2 単勝1番人気のオッズが2.0~2.9
では単勝1番人気のオッズがやや上昇し、2倍台のときはどうなるか検証しよう。
検証1
- 馬連オッズ10倍未満の個数が4個
- 単勝1番人気が2.0~2.9
単勝1番人気の出現率はかなり低下し、平均値に少し毛が生えた程度になった。
検証3 単勝1番人気のオッズが3倍以上
では単勝1番人気のオッズがさらに上昇し、3倍台のときはどうなるか検証しよう。
検証1
- 馬連オッズ10倍未満の個数が4個
- 単勝1番人気が3.0~
単勝1番人気の出現率はさらに低下し23%となった。単勝1番人気のオッズが3倍以上の時の平均出現率は21.9%なので、こちらも少し毛が生えた程度になっている。
検証結果
馬連10倍未満の個数が4個のとき、単勝1番人気の出現率が最も高くなることが前回の記事で判明した。しかし、単勝1番人気のオッズを加味して分析した結果、単勝1番人気のオッズなりの出現率に低下することが明らかになった。しかし、平均値と比較すると若干出現率は上昇しており、馬連10倍未満の個数が全く結果に影響がないかと言われると、そうとは言い切れない。