単勝オッズパターン分析
単勝オッズを分析することは、そのレースの傾向を知ることに繋がる。このページでは、単勝オッズがどのような構成になっているかを分析し、それがレース結果にどのような影響を与えているかを分析する。
単勝オッズパターンとは
これは2023年4月16日に行われた皐月賞の単勝人気順オッズだ。
ここから
単勝1倍台が6頭
単勝10倍台が3頭
単勝20倍台が1頭
存在することが分かる。
この記事では、過去のレースをこのパターンごとに分類し、どのような傾向が見られるかを紹介していく。
単勝1倍台の個数はレースの波乱度を示すか?
では、まず単勝1倍台の個数のみに注目してみよう。
単勝1倍台の個数が少ない時と多い時とで、馬連の平均配当がどのように変わるか。馬連の平均配当が高くなれば波乱傾向にあるとみることが出来る。
ご覧のような結果となった。どれもあまり大差がないように思えるが、1倍台の頭数が多いほど若干荒れやすい傾向が見られる。しかし、1頭の時を除いて、ほぼ変わらない。なお、1倍台が8頭もいるレースは極めて少ないため、平均配当2万強という数値は参考程度にしてほしい。
単勝10倍台の個数はレースの波乱度を示すか?
では続いて、同様に単勝10倍台の個数と馬連平均配当の関係を調べよう。
先ほどよりも顕著な結果となった。明らかに頭数が多いほど馬連の平均配当は上昇している。10倍台が0頭の場合と、6頭の場合では、平均配当は倍違う。
単勝20倍台の個数はレースの波乱度を示すか?
では続いて、単勝20倍台の個数と馬連平均配当の関係を調べよう。
こちらも頭数が多いほど平均配当は上昇している。しかし、2頭~5頭の時は、それほど大きく数値が変わっているとは言えない。
以上のことから、次のことが分かる。
単勝パターンと波乱度の関係
単勝10倍台の個数が、レースの波乱度と大きく関係している
10倍台、20倍台を合わせて考える
では、単勝10倍台、単勝20倍台の個数別に、さらに詳細に分析してみよう。
さきほどは、単勝10倍台の個数だけ、単勝20倍台の個数だけのデータを紹介した。
続いては、「単勝10倍台が1個」かつ「単勝20倍台が3個」のように、2つを合わせた場合のデータを紹介する。
一気にデータを掲載するので、ゆっくりと見ていただきたい。なお、細分化されてしまうので、データの信頼性を担保するために、2009年から2023年4月に至るまでの該当レース数(データ数)も掲載しておく。データ数が少ない箇所の平均配当は、参考程度に留めておくべきだ。
これが全パターンだ。
馬連の平均配当が5700円程度なので、これより低い場合は本命傾向、これより高い場合は波乱傾向であると理解すれば良い。
下の表ほど、平均配当が高くなっているので、やはり10倍台の個数が平均配当に及ぼす影響が大きいことが分かる。
実際のレースで単勝オッズを確認し、この表に当てはめればレースの傾向が手に取るように分かるようになるので、是非参考にしてほしい。
馬連人気をグループ分けする
では続いて、単勝オッズパターンごとに、馬連の人気別出現率がどのようになっているか分析していく。まず、馬連人気を以下の3グループに分類する。
- 1~9番人気
- 10~19番人気
- 20番人気~
一番上のグループで決着すれば本命、2番目のグループなら中穴、3番目のグループなら大穴決着だと言えるだろう。
馬連グループ別の出現率は?
では、2009年から2023年5月に至るまでの中央競馬全レースで、先ほどの馬連人気のグループ別の出現率を見てみよう。
このような結果となった。
ほぼ6割のレースは、馬連9番人気以内で決着していることになる。そして、10~19番人気と20番人気以降はほぼ同じ出現率で、約2割だ。
注目したいので10~19番人気のゾーンで、この平均配当は約4000円。非常においしいゾーンだと言えるだろう。
単勝1倍台の数との関係は?
単勝1倍台(10倍未満)の数と馬連グループ別出現率の関係を調べてみた。
非常に面白い傾向が出ている。
まず、1倍台の数が多くなるほど、馬連1~9番人気で決着する確率が低下していくのが分かる。その変わり、10番人気以降の出現率が上昇していく。
つまり、1倍台の数が多いほど、中穴・大穴になる確率が高くなるということだ。
単勝1倍台・10倍台との関係は?
では、先ほどのデータに、単勝10倍台の個数という条件を足して、さらに詳しく分析してみよう。分析結果を一気に掲載する。
ここでも興味深い結果が出ている。
さきほどの表では、単勝1桁台の個数が多いほど波乱傾向であると解説した。しかし、10倍台の個数を加えると傾向は一変する。
1桁台が4個、10倍台が0個というパターンを見ると、馬連1~9番人気での決着率は80%弱にもなる。
一方で、1桁台が2個、10倍台が4個というパターンを見ると、馬連1~9番人気での決着率は64.6%となり、先ほどより大きく低下する。
1桁台の個数だけに注目していれば、前者のほうが波乱傾向が強いはずだが、10倍台の個数を入れることんによって、さらにレース傾向を正しく分析できるのだ。
このデータは、2009年3月から2023年4月までの全レースの分析結果だから、かなり重宝するだろう。是非実践でも活用していただきたい。
どの馬を軸にするべきか?
さて、単勝オッズパターンごとに、どの馬連グループを狙うべきかが判明した。では、具体的にどう狙っていくべきなのか。
さきほどの皐月賞のオッズを見ると、単勝オッズパターンは「1桁台6個、10倍台3個」となっている。これを先ほどの表に当てはめると、馬連のグループ別出現率は以下のようになっている。
- 馬連1~9番人気
35.9% - 馬連10~19番人気
26.8% - 馬連20番人気~
37.2%
これを見る限りでは、馬連1~9番人気を狙う気にはならない。だからといって、馬連20番人気以降を狙うには、買い目が多すぎる。
こう考えれば、馬連10~19番人気に狙いを定めるのもありだろう。もちろん、この9点を全部買っても良いのだが、さすがに芸がなさすぎるのではないだろうか。
そこで、買い目を絞るために、以下のようなデータを調べてみよう。
単勝オッズパターンが「1桁台が6個、10倍台が3個」の時で、かつ馬連10~19番人気で決着したときに、単勝何番人気が一番連対しているか?
単勝人気ごとの連対率は以下のようになっていた。
- 単勝1番人気
8.8% - 単勝2番人気
36.3% - 単勝3番人気
28.8% - 単勝4番人気
25.0% - 単勝5番人気
27.5% - 単勝6番人気
48.8%
単勝1番人気を買う必要がないことは分かるだろう。
そして軸にすべきなのは、単勝6番人気の16番タッチウッド、単勝2番人気の1番ソールオリエンスだ。
では、馬連10~19番人気で、この2頭が絡んでいる組み合わせはどれだったか。以下の表は、皐月賞の馬連10~19番人気のオッズだ。
16番と1番が絡んでいる組み合わせは3つだ。
15-16
1-14
1-16
この3点買いが、最も効率の良く、出現率の高い馬券となる。
結果はご存じのとおり、1-14で決着したのだ。
このように、単勝オッズを分析することで、確率論に基づいて買い目を選定することが出来る。
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