オッズ矛盾理論入門
オッズを眺めていると、オッズの歪みに気づくことがある。それは果たして何を意味しているのか検証する。
オッズの歪み
皆さんは、オッズというものをどのように考えているだろうか?
「そんなの、払戻金額のことさ」
ほとんどの方はそう思うかもしれない。確かにそうだが、それだけではない。
オッズというのは、競馬ファンの予想の結果なのだから
オッズ=支持率
とも考えられる。
オッズの中でも、各馬の支持率を如実に表しているのが単勝オッズだ。単勝オッズが1.1倍の馬は、圧倒的に支持率が高いわけだし、300倍の馬は全く支持されていないことになる。
オッズに支持率という概念を導入してみると、オッズには歪みが発生することがあることに気づく。
例えば、単勝1番人気が2.6倍だとしよう。単勝1番人気の平均オッズが2.3倍程度だから、平均よりやや高めだなという印象を持つはずだ。つまり、支持率という観点で見ると、普通よりかは支持されていないことが分かる。
一方で、同レースの単勝2番人気のオッズが6.5倍だったらどうだろう。
通常、単勝2番人気の平均オッズは4.1倍だから、こちらも高めのオッズになっている。
ここで鋭い生徒は、オッズ歪みに気づくだろう。

どういうことかというと、単勝1番人気のオッズが高いのに、単勝2番人気とのオッズ差が大きいことだ。
単勝1番人気のオッズが高い=単勝1番人気は支持されていない
単勝2番人気とのオッズ差が大きい=単勝1番人気は支持されている
この2つの状態のことを当校では「オッズの歪み」と呼んでいる。
もちろん、単勝オッズだけではなく、他の式別でも様々な「オッズの歪み」が存在する。
オッズの歪みを分析する
さきほどの「オッズの歪み」が確認できた場合、そのレースはどのような結果になるか。

歪んだ状態では、単勝1番人気のオッズが2.6倍となっているので、ひとまず「単勝1番人気が2.5倍~2.9倍」という条件で、過去のレースを分析してみよう。そして、後ほど「歪み」を加えて再度データを分析し、「歪み」がレース結果にどのような影響を与えたかを確認する。
まず「単勝1番人気が2.5倍~2.9倍」という条件で分析したデータを公開する。

続いて、この条件に「単勝2番人気が6.0倍以上」という条件を付け加えて分析してみる。つまり「オッズの歪み」を先ほどの条件に付け加えるわけだ。

まず驚くことに、単勝5番人気の出現率が急上昇しており回収率も100%を優に上回っている。そして、単勝2番人気の出現率が大きく低下していることに気づくだろう。
それ以外にも、単勝2~5番人気までの連対率がほぼ同じになっていたり、単勝7・9番人気の回収率も100%を超えていることが分かる。
よくデータ数が少ないと、このような偏りが発生することがあるが、ここで紹介したデータは過去14年間のデータの結果なので、信頼して良い。
このように、オッズの歪みを少し分析するだけで、このように面白い結果が出てくる。
矛盾理論
オッズの歪みを突くこの方法論のことを、当校ではオッズ矛盾理論と呼んでいる。
このオッズ矛盾理論は非常に優秀だ。
先ほどの例では、単勝1番人気と単勝2番人気の歪みを突いたが、これ以外にも様々な歪みが存在する。
例えば「単勝オッズと馬単オッズ」の間で歪みが生じることもあるだろうし、「馬連オッズと馬単オッズ」で歪みが生じることもあるだろう。これらを分析していけば、さらに興味深い傾向が見て取れるのだ。
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