オッズ矛盾理論「単勝と3連複の矛盾」

オッズの矛盾を突いて、回収率100%超を目指す「オッズ矛盾理論」について解説していく。なお、オッズ矛盾理論の基礎は、以下のページで詳しく解説しているのでご覧いただきたい。

単勝と3連複の矛盾を突く!

今回のテーマは、単勝オッズと3連複オッズの矛盾を突いていくことだ。

では、以下のオッズを見ていただきたい。2023年5月13日の京都競馬 第2レースのものだ。

左は単勝人気順オッズ、右は3連複人気順オッズである。

単勝オッズ
3連複オッズ

単勝オッズを見ると、単勝3番人気と4番人気の間に大きなオッズ差があり、みるからに3強レースとなっている。そして、3連複オッズを見ると、単勝1~3番人気の組み合わせが1番人気になっており、そのオッズは1.5倍で人気が集中していることが分かる。

この単勝と3連複のオッズは、正常な状態であると言える。何故かというと、どちらのオッズも”このレースは3強ですよ”と教えてくれているからだ。

では、次の例を見てみよう。以下のオッズは、2023年4月22日の京都競馬 第10レースのものである。

単勝オッズ
3連複オッズ

まず単勝オッズを見ると、こちらも単勝3番人気と4番人気に大きなオッズ差が見られ、3強レースの様相を呈していることが分かる。次に3連複オッズを見てみよう。3連複1番人気は、単勝1~3番人気の組み合わせになっているものの、そのオッズは何と12倍である。

つまり、単勝オッズでは3強レースとなっているものの、3連複オッズを見る限り、とてもじゃないが3強とは言えない。これは、まさに単勝オッズと3連複オッズの矛盾である。

そして、レース結果はどうなったか。
前者は、単勝1番人気→3番人気→4番人気で本命決着になった。
後者は、単勝10番人気→単勝8番人気→単勝1番人気の大波乱決着になっているのである。

単勝3番人気と4番人気のオッズ差

それでは、単勝3番人気と4番人気のオッズ差の基礎データを紹介する。
以下に掲載した表は、オッズ差別の単勝人気別複勝率だ。

このデータは、縦軸に単勝3番人気と4番人気のオッズ差を取っており、横軸が単勝人気で、確率は複勝率を示している。オッズ差が「2-3」とあるのは、単勝3番人気と4番人気のオッズ差が2倍以上3倍未満であることを示している。

ご覧いただければ分かるが、オッズ差が大きくなるほど、単勝1番人気~3番人気の複勝率は大きくなる傾向がある。つまり、単勝3番人気と4番人気のオッズ差が大きくなるほど、3強レースになるということである。

3連複1番人気のオッズ

では続いて、3連複1番人気のオッズ別に、単勝人気別の複勝率を見てみよう。

このデータは、縦軸に3連複1番人気のオッズ横軸が単勝人気で、確率は複勝率を示している。オッズ差が「2-3」とあるのは、3連複1番人気のオッズが2倍以上3倍未満であることを示している。

ご覧いただければ分かるが、オッズ差が大きくなるほど、単勝1番人気~3番人気の複勝率は小さくなる傾向がある。つまり、3連複1番人気のオッズが小さくなるほど、3強レースであることを示している。

3強レースを定義する

では、これらのデータを参考に3強レースを定義しよう。

まず単勝3番人気と4番人気のオッズ差に注目した場合を考える。そのオッズ差が9倍以上のとき、単勝1番人気の複勝率が75%を超える。この時を3強レースとしよう。

続いて、3連複1番人気のオッズを考える。このオッズが5倍未満の時、単勝1番人気の複勝率が75%を超えるので、この時を3強レースと定義する。

3強レースの条件

  • 単勝3番人気と4番人気のオッズ差が9倍以上
  • 3連複1番人気のオッズが5倍未満

3強レースのデータ

では、この3強レースの2つの条件を満たすレースは、どのような傾向があるのか。データを紹介する。

さすがに3強レースだけあり、上位3頭の複勝率が非常に高いことが分かる。

では、この条件の片方が崩れた時にどうなってしまうのか。

3連複1番人気が5倍以上のとき

まず、単勝3番人気と4番人気のオッズ差が9倍以上だが、3連複1番人気のオッズが5倍以上という条件のデータを紹介する。

3連複の条件が崩れるだけで、単勝1番人気~3番人気の複勝率が大幅に低下していることが分かる。そして、単勝6番人気以降の複勝率が一気に上昇している。

3連複1番人気が9倍以上のとき

では最後に、さらに3連複1番人気のオッズが9倍以上と厳しくして、データを調べてみよう。

  • 単勝3番人気と4番人気のオッズ差が9倍以上

という単勝オッズだけを見れば明らかに3強レースだが、3連複1番人気のオッズが9倍以上という、まさに矛盾状態。果たして結果は…

出現率に注目すると確かに3強かもしれない。しかし、注目すべきは複勝率。単勝1番人気の複勝率は70%を超えており、平均値よりかは高くなっている。

だが、2番人気と3番人気の複勝率はどうだろうか。これはとてもじゃないが3強とは言えない結果となっている。そして単勝4番人気以降の複勝率が高くなっており、穴馬の台頭も多いことが分かる。

単勝オッズだけを見れば3強レースだったとしても、3連複のオッズが3強レースの様相になっていない場合、勝ち馬は3強から出ることが多いが、3着以内には穴馬が突っ込んで来やすいのだ。

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