新メビウスの方程式

メビウスの方程式の弱点を克服した最強の資金マネジメント法だ。

新メビウスの方程式とは

メビウスの方程式をさらに改良したのが新メビウスの方程式だ。

メビウスの方程式は、損失金や利益目標がある際に使用する資金マネジメント法だったため、投資予算を決めて投資する定額投資では活用することが出来なかった。その点では、完璧な資金マネジメント法であるとは言えなかった。

新メビウスの方程式は、その弱点を攻略。今までの損失金を回収し、かつ利益を計上するための多点買い専用の資金マネジメント法であるとともに、決められた投資予算内でも投資金を算出できる。発表されてから20年以上が経つが、最強の資金マネジメント法の1つだ。

2種類に分けられる

新メビウスの方程式は2種類ある。
決められた投資予算内で資金マネジメントを行うベーシックタイプ(定額投資用)と、損失金や目標利益から投資金を算出するコンプリートタイプ(追い上げ投資用)だ。順に説明していこう。

ベーシックタイプ(定額投資用)

手順は3つに分けられるので、順番に見ていこう。

手順1 比率数値を求める

※ここはメビウスの方程式と同じだ。

購入する馬券のオッズの低い順に①、②、③、…とする。

2点買いの時
(①÷②)+1

3点買いの時
(①÷②)+(①÷③)+1

4点買いの時
(①÷②)+(①÷③)+(①÷④)+1

のように計算し比率数値を求める。
5点買い以上のときも同様だ。

例えば、購入したいオッズが4倍、6倍、7倍のときを考えよう。このとき
① 4倍
② 6倍
③ 7倍

よって比率数値は
(4÷6)+(4÷7)+1
=2.23

となる。

手順2 馬券①の投資金を求める

投資予算÷比率数値

例えば、投資予算が1万円だったとする

馬券①への投資金は
1万÷2.23
≒4484

10円未満は切り上げるので、馬券①への投資金は4500円となる。

手順3 その他の馬券の投資金を求める

馬券①の投資金×馬券①のオッズ÷オッズ

今回の例では、馬券②と馬券③の投資金を順に算出することになる。

馬券②への投資金は
4500×4÷6
=3000

馬券③への投資金は
4500×4÷7
≒2571
≒2600

となる。

これで算出された投資金額を賭けた場合、いくら払い戻しが見込めるか計算してみよう。

馬券① 18000円
馬券② 18000円
馬券③ 18200円

ご覧のように、どれが的中してもほぼ同じ払戻金を受けることが出来る。なお、投資金額は10100円なので、利益は約8000円だ。

コンプリートタイプ(追い上げ投資用)

手順は3つに分けられるので、順番に見ていこう。

手順1 比率数値を求める

※ここはメビウスの方程式と同じだ。

購入する馬券のオッズの低い順に①、②、③、…とする。

2点買いの時
(①÷②)+1

3点買いの時
(①÷②)+(①÷③)+1

4点買いの時
(①÷②)+(①÷③)+(①÷④)+1

のように計算し比率数値を求める。
5点買い以上のときも同様だ。

例えば、購入したいオッズが4倍、6倍、7倍のときを考えよう。このとき
① 4倍
② 6倍
③ 7倍

よって比率数値は
(4÷6)+(4÷7)+1
=2.23

となる。

手順2 このレースの必要投資金を求める

目標利益÷(①のオッズ÷比率数値-1)

この手順で、目標利益を得るために、このレースでいくら必要かを求めることが出来る。

例えば、目標利益が1万円だったとする

このレースで使う投資金は
1万÷(4÷2.23ー1)
≒12610

10円未満は切り上げるので、投資金は12700円となる。

なお、式中の「目標利益」を「損失金」に変えれば、損失金を回収するための投資金を算出することが出来るし、「損失金+目標利益」に変えれば、損失金を回収し、かつ目標利益を達成するための投資金を算出することが出来る。

手順3 馬券①の投資金を求める

必要投資金÷比率数値

先ほどの例では、必要投資金は12700円だったので

馬券①への投資金は
12700÷2.23
≒5695

10円未満は切り上げるので、馬券①への投資金は5700円となる。

手順3 その他の馬券の投資金を求める

馬券①の投資金×馬券①のオッズ÷オッズ

今回の例では、馬券②と馬券③の投資金を順に算出することになる。

馬券②への投資金は
5700×4÷6
=3800

馬券③への投資金は
5700×4÷7
≒3257
≒3300

となる。

よって、馬券①~③の投資金合計は12800円となって、手順2で求めた必要投資金とほぼ同じだ。200~300円超えてしまうこともあるが、それは10円単位を切り上げているのでやむを得ない。

これで算出された投資金額を賭けた場合、いくら払い戻しが見込めるか計算してみよう。

馬券① 22800円
馬券② 22800円
馬券③ 23100円

ご覧のように、どれが的中してもほぼ同じ払戻金を受けることが出来る。なお、投資金額は12800円なので、どれが的中しても目標利益10000円を達成していることが分かる。

実は事前に回収率が分かる

メビウスの方程式同様、手順①の段階で、回収率を推定することが出来る。

推定回収率

馬券①のオッズ÷比率数値

今回の例でいえば、馬券①のオッズは4倍、比率数値は2.23だった。よって、

推定回収率
=4÷2.23
≒1.79

となる。

推定回収率が思ったよりも低いと感じたら、買い目を削減するなりして、回収率を調整していくことも可能だ。

補足

新メビウスの方程式は、非常に効率の良い資金マネジメント法だが、注意点もあるので紹介しよう。

まず1つ目は、推定回収率が150%以上あることが理想だということ。特にコンプリートタイプでは200%以上ないと、投資金が膨れ上がりやすくなるので注意が必要だ。

2つ目は、目標利益や損失金の金額には、200円程度を事前に上乗せしておくほうが良いということ。新メビウスの方程式は、それらの目標を達成するためにギリギリまで投資金を削っている。計算過程で10円単位を切り上げる関係上、たまにそれらの目標を達成できないことがあるからだ。

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